2013年7月3日水曜日

「体は全部知っている」













河合隼雄さんとの対談本を読んで以来、
よしもとばななも気になり(あれ、なぜこちらは呼び捨て?)、読んでいます。

やっぱり私は「よしもとばなな」世代なんだなぁと思う。

こちらは、一編一編、すごくストレートに気合いが入っている感じの短編集でした。
ふるふるしたミルクプリンをスプーンで掬うような、
そういう書きぶりに妙にやられてしまった。。



(引用)----

「現実はそんなに単純なものではないと私は思っていたが、この風景を見ていると人間は単純なものだと思えてくる。心の闇を処理する場所があると、静かなフロアで叫び出すところまでは追いつめられない。
 昔、私達がまだマンモスの肉とか食べていた頃、男は女を力ずくで取り合い、女はたくさん子供を産んでいたような頃、景色がずっと遠くまで見えた頃......いつなのだろう、どのくらい昔なのだろう、でもその頃は、きっと村には必ず、田所さんのような役割の人がいたはずだ。」


「きっとこうやって大勢の人がなんかや誰かを『憎んでおこう』と決めて、自分の中に眠る憎しみのパワーを全部とりあえずそこに注ぎ込んでそのもののせいにすることに中毒しているみたいな変な状態になって、戦争っておこるのかもしれない」


「私はなんであんなに弱っていたのだろう? 
 自然がすばらしいということだけではない。
私はドラマを見て、舗装された道路を通って、最新のおやつをスーパーで手に入れている。これは偽の田舎生活だと言うのはじゅうじゅう承知している。私が失っていたのは、なんだろう?父ではない。なにか、生活というもの?今、あの頃のことを考えると頭だけが浮かんで生活している宇宙人達が思い浮かぶ。体はなく、頭だけがあれこれ考えて、ぼんやりと水のような中をくらげみたいに行ったり来たりしているような感じがした。性別もなく、欲望もない。思うように動けない」


「ううーん、違うんだ。なにかが。言っていることはわかるし、大筋はあっているのだが、なにか全然違う。
とその手紙を受け取って私は思った。(中略)ひまだからだ。きっと。時間は今の方がたくさんあるのに、あの忙しい日々のほうが、よほどひまだったのだ。私自身の内面は。」

(引用ここまで)----


もう何冊か読んでみようかな。

0 件のコメント:

コメントを投稿