2013年7月25日木曜日

「村上朝日堂」



村上春樹さんの本もどっさり読んでいます。
「村上朝日堂」は昔よく読んだので懐かしい。

気楽なQ&Aの中に、
いくつもハッとさせられるやりとりがあったりして、
けっこう時間かけつつ読んでいます。

いろんな背景をもった人が投げて来る質問に
「僕の考えは...」という形で答える方が、
ご自身で自発的にエッセイを書くよりも、
人生観や「仕事」への思いがよりストレートに表されているように思い、新鮮です。

特に興味深いのが、以下のような小説家としての「態度」。

(引用)----------------------------
「僕が小説の中で書こうとしているのは、我々のまわりを取り囲んでいる現実世界の姿です。しかし現実の姿をそのまま現実的に書いても、その中核にあるもの(つまり現実を現実たらしめているもの)は浮き彫りにされません。現実を一度すっかり解体して、自分の精神性の中でもう一度作り替えることによって、それはようやく本物の現実性を身につけるのです。僕が作り替えたものは、一見すると、現実の世界とは違って見えるかもしれません。奇妙で、非現実的なところもたくさんあるかもしれない。でも僕が描きたいのは、現実の現実以上に本物でリアルな現実なのです。」

「僕はそのような超現実的なものごとを『難解な布石』という風には考えていません。そういうものごとを好まない読者が少なからずいることは理解できますが、僕の書く物語は(一部のものを除いて)そのような激しい隠喩を必要としています。僕にとっては自然なことであるし、とても切実なことなのです。我々の魂の深い部分は、暗闇に覆われていますし、そこではどのようなことでも起こり得ます。僕らがそのような領域を理解するためには、明るい領域における論理を使用するだけでは足りないのです。」

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最近大量に物語を読んでいて、私の中で、
本を読む体験にちょっとした変化を感じたので、
上で説明されていることは、すぅっと捉えることができました。

ひとつ、すごくいいな、と思ったのが、
「マラソンで沿道の人が“頑張れ”というかけ声をしてくるのがどうも...。何か他にいいかけ声はないのでしょうか」
というお便りに対する、
「アメリカでは"Looking good!"というのが多いですね」
という回答。
「素敵よ!」というような感じだそうですが、いいですね。
頑張るっていうのもなんかちゃうよなぁ...というシーンで、
「その人の輝きや可能性を感じて、言葉で返す」
という態度が含まれているように思えて(私が、勝手にだけど)、
とても好感がもてます。

あと、「カラマーゾフの兄弟」のネタがよく出て来るので、
むらむらと読みたくなってくる。
3年ぐらい前に新訳に挑戦したのだけど、
人の名前と関係性が覚えられないのと、
長セリフに堪えられなくなって、途中で断念したのだった。
今なら読めるかな。

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